当店で扱っているテープは、フランスのMULANN社が『RECORDING
THE
MASTERS(レコーディング・ザ・マスターズ)』のブランドで販売している高性能テープです。 SM911やSM468、LPR35など、これらのテープはドイツのBASF/AGFA によって開発されたもので、BASFでの製造が終了となってからはEMTEC、RMG、PYRALとメーカーが変遷しながら製造が続けられてきました。 現在は2015年にPYRALを買収したフランスのMULANN社が翌2016年にレコーディン グ・ザ・マスターズの新ブランドを立ち上げ、アナロ グ磁気テープによるレコー ディングの優位性を確信するエンジニアやアーティスト、オープンリールデッキファンの期待に応えて、生産を続けています。 商品は当店の下記ネットショップにて取り扱っております。ぜひご利用下さい |
型式 Model |
テクニカルデータシート Technical Data Sheet (外部リンク) ※写真をクリックして下さい |
特徴 |
使用推奨デッキ ※ここであげている機種は一例です。メーカーに問い合わせてもすでに分かる方はいないと思いますので、当店の「デッキ別テープ選び」のページを参照してみて下さい
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SM900 (えすえむ・きゅうひゃく) |
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1995年にBASFが開発した、現行製品としては最高性能のスタジオマスタリング用テープ。ハイバイアスで、グレードはAMPEX/QUANTEGYの499と同じ
クラスです。 現在録音スタジオでアナログレコーディングをする場合「AMPEX 499相当」のテープが指定されますので、その場合にはこのテープをご利用下さい。 当店では1/4、1/2、2インチの3種類の幅のテープをご用意しています。 |
STUDERなど |
SM911 (えすえむ・きゅういちいち) |
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1986年にBASFが開発した、スタンダードバイアスのスタジオマスタリング用テープ。 リファレンステープ的に使用されていた AMPEX/QUANTEGY 456と同等のグレードですので、ハイアマチュア向けやセミプロ向けのオープンリールデッキを使用する際に最適なテープです。音質は派手でJAZZ向きな 456に比べ少し地味目でクラシック向きとの評価です。 当店では1/4 と 1/2の2種類の幅のテープをご用意しています。 |
※AMPEX 456が指定標準テープのデッキの例 TEAC 33-2/33-4/33-8 TASCAM 3030/34B/BR-20 OTARI MX-5050 B3-2/MX-55N FOSTEX Model B-16/E-16/E-2/E-22 |
ご参考:TEAC
33-2の取扱説明書より![]() |
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※AMPEX
456について |
AMPEX 456 QUANTEGY 456 |
AMPEX
456は1975年の発売開始以来、1990年代までスタジオ・レコーディングの定番テープでしたので、この間製造された多くのプロ&セミプロ用の
デッキが指定標準
テープとしています。そのためメーカーで通常のメンテナンスを受けたそれらのデッキは456で最適な録音が出来るように調
整されています。QUANTEGY
456もブランド名が変わっただけで中身は同じで、その明るく派手目のサウンドは今でも多くのファンがいらっしゃいます。456はすでに製造が終了しているので、現行の商品でほぼ同等のグレードのSM911(スタンダードバイアスのLH+6スタジオマスタリ
ング・テープ)をお使い頂くのが最善となります。もちろん音質は異なり、よく使っていらっしゃる方からは「456はJAZZ向きの明るい音、SM911は
欧州系のクラシック向き」といった感想をよく伺います。 SM900やSM468(ハイバイアスのテープ)を使用する場合には、テープの特性に合わせたデッキ側の調整が必要となりますのでご注意下さい。 【ご 注意】このように素晴らしい性能を誇ったAMPEX 456ですが、残念ながら現在出回っている多くの中古テープは保存状態が悪いものが多く、全くお勧めできません。AMPEX は1995年に生産終了し、未使用だとしてもすでに25年以上が経過しています。特に 1980年代後半から90年代にかけて製造されたロットはべたつき問題などを抱えていますのでリールの再利用くらいにしか使えないとお考え下さい。QUANTEGY ならまだ多少ましなものが入手できるかもしれませんが、それにしてもまちがいなく10年以上経過した古いテープになります(QUANTEGY は2007年に生産終了)。本格的なレコーディングには迷わず新品の SM911かSM900をお使いいただくことをお勧めします。 |
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LPR90 (えるぴーあーる・きゅうじゅう) |
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2016
年にRECORDING THE
MASTERSとなってから開発された最新テープ。 SM900のロングプレイバージョンで、同じ磁性体を使用しています。38cm/sで片面45分間の録 音ができるため、LPレコードの2トラック・マスターテープとして最適です。テープ幅は1/4インチのものだけ製造されています。 |
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LPR35 (えるぴーあーる・さんじゅうご) |
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1996年にBASFが開発した、150番LPRシリーズの最後のタイプとなるオープンリールテープ。型番が表すとおりロングプレイテープで厚さは35μ。スタンダードバイアスで、低速(19.05、9.5cm/s)での使用に最適に設計された長時間録音
用ですので、一般のオープンリールデッキユーザーが4トラック2チャンネル機で録音を楽しむならこのテープが最もおすすめです。テープ幅は1/4インチのものだけ製
造されています。 厳密に言うと違うのですが、AMPEX 456 のロングプレイ版である「457」、あるいはScotch 207、QUANTEGY 407の代用としては、このLPR35が該当します。 |
※AMPEX 457 や150番LHテープが指定されているデッキの例 TEAC X-10R(150番LHテープ) AKAI GX-747(150番LHテープ) FOSTEX Model R8/E-8(AMPEX 457) |
SM468 (えすえむ・よんろくはち) |
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1975年にAGFAが開発したアーカイ
バル仕様のハイバイアス・スタ
ジオマスタリングテープで、アナログ録音の全盛期には、エンジニアの中にも熱心なファンがいた、AGFAの看板商品とも言える銘テープです。(AGFA当時の型番はPEM 468) 長期保存性が考慮された設計で、SM900やSM911と比較して2dB高い耐転写特性などから、EMTEC時代のカタログでは「20年以上経過 しても品質を損なうこと無く再生が可能」としています。 また、巻き取り時の乱れが非常に少ないことも特徴で、スタジオレコーダーで水平置きでしたら、上側のフランジを外しても問題無くオペレーションが可能です。 当店では常時在庫はしておりませんが、1/4、1/2インチ幅から2インチ幅まで製造されていて、お取り寄せが可能ですので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせ下さい。 |
※AGFA PEM 468が指定標準テープのデッキの例 REVOX PR 99(CCIRでの使用時) |
Recording
The Masters のHPにある“Machine calibration”のページから転載しました |
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Tape Type/Tape Speed | Record Gap Length | |||
0.25 mils ※標準的なヘッドギャップ |
0.3〜0.4 mils |
0.5 mils |
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SM900 |
76.2cm/s (30ips) | 1.5 dB |
1.25 dB |
1.0 dB |
38.1cm/s (15ips) | 4.0 dB |
3.5 dB |
3.0 dB |
|
19.05cm/s (7.5ips) | 6.5 dB |
5.0 dB |
4.0 dB | |
SM911 |
76.2cm/s (30ips) | 1.5 dB | 1.25 dB | 1.0 dB |
38.1cm/s (15ips) | 3.0 dB | 2.5 dB |
2.0 dB | |
19.05cm/s (7.5ips) | 6.5 dB | 5.0 dB | 4.0 dB | |
SM468 |
76.2cm/s (30ips) | 1.5 dB | 1.25 dB | 1.0 dB |
38.1cm/s (15ips) | 4.0 dB | 3.5 dB | 3.0 dB | |
19.05cm/s (7.5ips) | 5.0 dB | 4.5 dB | 4.0 dB | |
LPR90 | 38.1cm/s (15ips) | 3.0 dB | ||
19.05cm/s (7.5ips) | 5.0 dB | |||
LPR35 | 19.05cm/s (7.5ips) | 4.0 dB | ||
9.53cm/s (3.75ips) | 4.0 dB(ΔS6.3) | |||
機種別のヘッドギャップ Record Gap Length by Manufacturer |
STUDER
(全機種) TASCAM(全機種) |
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AMPEX
ATR-124(2") AMPEX MM-1100 AMPEX MM-1200 |
AMPEX
ATR-100 Serias (102/104) AMPEX MM-1000 |
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OTARI
(右覧に上げた他の全機種) OTARI MTR-90 OTARI MTR-100 |
OTARI
MTR-10(1/4" のみ) OTARI MTR-12(1/4" のみ) OTARI MTR-15(1/4" のみ) |
OTARI
MX-5050(Full-track のみ) OTARI MX-7800 |
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Lyrec
(全機種) MCI(全機種) Scully(全機種) Soundcraft(全機種) 3M M79 |
Stevens 24-track | |||
追加 |
AMPEX
AG440 |