フランスのエンジニアが一人で作ったオープンリールデッキ
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最終更新日:2024/02/29
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Analog Audio Design(アナログ・オーデイオ・デザイン)というブランドをご存知でしょうか? このブログでも何回かご紹介していますが、フランスのオープンリールデッキの新しいメーカーです
創業者は、クリストフ・マルティネス氏(Christophe Martinez)。長年フライトシュミレーターのエレクトロニクス関連の設計に携わっていましたが、その後、RECORDINNG THE MAUSERS としてオープンリールテープを製造していたMulannに勤務。そしてその当時、提携していたフランス・ブルターニュにある Kerwax Analog Recording Studios に出入りする中で、アナログ・サウンドの魅力に惹きつけられたそうです
Kerwax Analog Recording Studios のWebサイト
Kerwax の真空管ラインプリの開発に関わる中で、多くのミュージックテープを聴く機会があったそうで、そうした中で「できるだけ多くの人にこの素晴らしいサウンドを知ってもらうことが絶対に必要だ。」と確信したそうです、スバラシイ!
そんなマルティネス氏は2017年に退社後、自宅のガレージを工房として、全くのゼロから独自のオープンリールデッキの開発をスタート。基本設計から組み立てまで、全てお一人でなさっているとのこと。4年間の研究開発の末、2021年12月に最初のモデル『TP-1000』(再生専用機)がお披露目となりました
TP-1000は、モーターと磁気ヘッド以外は全てマルティネス氏が自ら設計した完全なオリジナルマシン。リールモーターはスイスのMaxon DCモーター、キャプスタンモーターはJMCサーボモーター、テープヘッドはPhotovoxバタフライヘッドを採用しているとのこと
最も力が入っている一つが、ユーザーインターフェースだそうで、本体正面右下には5インチのタッチスクリーンのコントロールパネルとなるデジタルディスプレイを備えています。コンピューター制御のインターフェイスは、テープエンドでの自動停止や、スキップ再生機能、らにイーサネット端子も備え、リモートコントロールや、ファームウェアのアップグレード、さらにはリモートでマシンの状態を診断することも可能だそう
そして、現在開発中なのが録音・再生可能な新モデル『TR-2000』です。AADのサイトでは「2023年中に提供予定」となってますが、まだ今のところ受注にはなっていないみたいですね
YouYubeの公式チャンネルにあるこの動画はディスプレイメーカーの4D SYSTEMS が制作したプロモーション用ビデオみたいですが、アップになったデッキのフロントパネルから、マシンのディティールがちょっとわかります、けっこう手作り感があるかも
米国ではPro Audio LTD が輸入窓口となっているようですが、日本は代理店などはまだないので、注文する場合はマルチネス氏に直接メールで依頼してください。お値段はWebサイトには出てないですが、再生専用機のTP-1000は米国価格は2万ドル、約300万円とのこと。海外への発送には梱包代600ユーロ(送料は多分別)で頑丈なフライトケース入りで届けられるそうです。
とにかく、一人のエンジニアが情熱を持って作り上げたオープンリールデッキ。簡単に購入できるものではありませんが、一度触れてその音を確かめてみたいものです
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