保管とメンテナンス 資料集 Reel to Reel maintenance |
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1970〜80年代の参考資料や書籍、オープンリールデッキの取扱説明書などから、デッキの使い方に役に立つ情報をまとめています(現在作成中です。情報を追加次第アップしていきます) |
ヘッド・クリーニング Head cleaning |
オープンリールデッキを使う際に最も重要なメンテナンスの一つ。 ヘッドクリーニングはオープンデッキユーザーが当然行うべき作業で、特に録音する前には必ずヘッドをクリーニングするのが常識です。ヘッドが汚れていると高域周波数のレベル低下や、音飛び、ヘッドの異常摩耗などの原因になります。クリーニングの正しい理解と実行無しに、デッキの最高性能が発揮されることは、ま ずありません。再生時には少なくとも8時間ごとに行うことが目安です。 ヘッドをクリーニングする際は綿棒やガーゼにクリーニング液をよく含ませて、ゴシゴシではなく“コシコシ”とこすります。ヘッド以外にもキャプスタンシャフト、テープガイドなど、テープが触れる金属部分を、クリーニングしていきます。ピンチローラーはゴム製ですので、ヘッドのクリーニング液をそのまま使うとゴムを傷める場合がありますので、ラバー専用の洗クリーニング液を使用して下さい。(TEACのメンテナンステキストから要約・加筆) 何ヶ月もヘッドクリーニングせずにデッキを使っていると、剥がれたテープの磁性粉が粉落ちして徐々にヘッドにこびりつき、ひどい場合には再生も録音も出来ない状態になります。特に保存状態の悪い古いテープを掛けた場合などは、一回でヘッドが真っ黒になってしまうことさえあります。 テープデッキ用のクリーニング液で最も手軽に手に入る専用の商品としては、audio-technicaの『AT6037ヘッド&ピンチローラークリニカ』が販売されています。(2018年11月現在) |
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消磁 (しょうじ) ヘッド・イレース Demagnetization |
オープンリールデッキを使う際に最も重要なメンテナンスの一つ。 次のTEACのメンテナンステキストに詳しい手順が記載されています 消磁は40〜50時間に一回以上は行いたい。また大切な録音前にもヘッドクリーニングと同時に行うことが良いでしょう。 手順は、デッキの電源がOFFになっていることを確認し、ヘッドイレーサーの電源を入れます。ジーという音と振動を感じたら作動している状態なのでゆっくりとヘッドに近づけます。イレーサーの先端をヘッドの表面に触 れるか触れないか程度に近づけ、ヘッドの中心線に沿って、ヘッドの上下のコア(実際に録音信号がトラックに流れる部分)の間を軽くなでるように4〜5回上下させます。このとき特に“ヘッドのコアの部分を消磁しているのだ”という認識が必要です。その後イレーサーの動きを静かに止め、ゆっくりと“もちを引き伸ばすような気持ちで”イレーサーをヘッドから離し、30cm以上離れたところで電源を切ります。イレーサーをヘッドに付けたまま、あるいは30cm話さないうちに切ってはいけません。同じ要領で各ヘッドを消磁します。 イレーサーは『毒で毒を制する』かのように、自ら交流の磁力線をまき散らしながら相手の帯磁を取り去っていくものなので、すべてを“ゆっくり静かに”やらないと逆に帯磁を強めることになりかねません。他の金属部分(キャプスタンシャフトやテンションアーム)はあまり神経質になる必要はありません。 (TEACのメンテナンステキストから要約・加筆) テープデッキの磁気ヘッドは、録音アンプの電気的な事故、機械の誤操作、磁気ヘッドに帯磁した物が振れたとき、長期間の使用などで磁化されることがあります(帯磁たいじ)。 その結果周波数特性の劣化、ノイズ・レベルの増加などを起こし、大切な録音済みテープにノイズが録音されえてしまうこともあります。 ヘッドが帯磁した場合は、ヘッドイレーサーで消磁します。さらにテープ走行系の金属部分(キャプスタンシャフト、テンションアーム、左右のガイドローラー、ヘッドハウジング内のテープガイド、テープリフター、)も同様に消磁して下さい。帯磁はヘッドの汚れなどと違って目に見えないため、出来るだけ定期的に消磁することが必要です。ヘッドの清掃と同時に行うようにすると良いでしょう。(TEACの取説から要約) デッキを使っているうちにヘッドが磁化され、ザーという雑音が増えたり、ひどい場合には高音が消されたりします。ヘッドと、テープが当たる金属部分は、ヘッドイレーサーで定期的(20〜30時間ごと)に消磁して下さい。(SONYの取説から) 長期間にわたってテープデッキを使用しているときは、月に一度はヘッドイレーサーで消磁をして下さい。消磁する個所は、再生ヘッド、録音ヘッド、消去ヘッドの各ヘッドと、テンションローラーなどのテープが接触する金属部分です。録音済みのテープは、ヘッドイレーサーから遠ざけておいて下さい。(Technicsの取説から) |
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注油 |
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テープ編集 Tape Edit |
スプライシングテープは、磁気テープのベース側(ヘッドが接触しない側)に貼る。磁性層側に貼るとその部分だけ音が出ず、磁性層を剥がしてしまいテープを傷めてしまう。 |
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マスター巻き (ますたーまき) 化粧巻き (けしょうまき) |
テープを録音・再生した後、巻き戻さずにそのままテープエンドをリールの外周側にした状態でテープを保管する方法。 早送り、巻き戻しでリールに巻き取られたテープは、わずかに段差のある「乱巻き」状態になりやすく、そのまま保管するとテープの片伸び(わかめ)などの変形が起きてしまうことから、主にそれを防ぐために行われる。「化粧巻き」とも言い、放送局や録音スタジオで通常行われている。 マスター巻きされたテープを再生する場合は、まずテープを右のリールテーブルに装着し、左に空リールをセットしてこちらに一度巻き戻してから頭出しをして再生します。(TEACの取説から要約・加筆) 録音済みのテープは録音・再生後に巻き戻さずにそのまま保管し、再生時にまず巻き戻してから再生する。(SONYの取説から) 録音・再生が終わってもテープがすべて巻き取られるまで再生スピードを保たなければならず、再生の前に巻き戻す必要があるなど手間も時間もかかるが、大切な録音テープを良好なコンディションに保つためにはとても重要な作業。 |
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タイトル |
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テープ・レコーダーとその活きた使い方 |
1978年(新装版) 誠文堂新光社 森本敏夫著 |
最新オーディオ事典 |
1979年8版 ラジオ技術社 |
レコーディング技術 |
1987年5版 専門教育出版 福里和男著 |
写真で見る3モーターテープデッキ 1次メンテナンスの実際 メンテナンステキスト No.1 |
TEAC 技術情報室 |
SONY TC-R7-2 取扱説明書 |
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TEAC X-10R 取扱説明書 |
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Technics RS-1500U 取扱説明書 |