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オープンリールデッキの現状 2020

公開日: : オープンリールデッキ, 情報, 新製品

今年も残り少なくなってきましたが、コロナで大混乱の中でもオープンリールデッキの開発が進んでいましたのでまとめてみました。

現状で言うと、ヨーロッパでは4つのメーカーで動きがあります。まず発売中なのがドイツの「BALLFINGER(バルフィンガー)」とオランダの「THORENS(トーレンス)」。そして開発中なのがフランスの「Analog Audio Design(アナログ・オーディオ・デザイン)」と「Kostas Metaxas(コスタス・メタクサス)氏」によるレコーダーです

まずはドイツのBALLFINGER社のオープンリールデッキ。独デュッセルドルフを拠点として、インダストリアル・デザイナーのローランド・シュナイダー氏が2004年に美しいデザインの卓上ランプを発表したことから始まり、高級腕時計を手がけた後、2013年頃から高級ハイファイ・オーディオに取り組み始めた新興メーカーですが、実際にデッキを発売中でもあり最も魅力的なメーカーです。

BALLFINGERのHP

2018年に発売されたM063シリーズは、2019年の記事では「発売から1年で20台以上売れて、バックオーダーも抱えている」というのがありました。アクセサリーでリモコンも発売されています。再生専用機から最上位機の4つのバリエーションと、さらにはカスタムメイドも可能で価格は200~400万円ほどになることもあってか、国内では購入された方はまだいらっしゃらないようですね。

オープンリールデッキ「M 063」シリーズのページ

最上位機種「M063 H5」のテクニカルデータ

代理店リストも出来ていました。香港、マレーシア、ロシア、シンガポール、タイ、ベトナムの代理店で取り扱いがあります。当店のような個人商店ではとても輸入販売できる体力はありませんが、日本でもどこかのハイエンドオーディオショップに輸入していただけないかな。

販売代理店リスト

 

続いてTHORENS、オーディオファンなら誰もが知るオランダの老舗ターンテーブルメーカーです。2019年のミュンヘン・ハイエンドで公開されたTM1600シリーズはBALLFINGERとの共同開発の再生専用機で、今年の夏に予定通り発売されたようです。世界的なアナログブームに乗ってかターンテーブルも好調のようです。

THORENSのHP

オープンリールデッキ「TM 1600」シリーズのHP

TM 1600のテクニカルデータ

販売店をざっと検索してすぐに出てきたのは、ベルギーのオーディオショップで価格は11999ユーロ、およそ150万円ですね。他にもいろいろとあると思いますのでご興味のある方は検索してみて下さい。

ベルギー Technology factoryのページ

 

次はフランスのAnalog Audio Design社が手がける全くの新開発のオープンリールデッキ「TR-1000」です。フランスのブルターニュ地方にあるオーディオメーカーで、創業者のクリストファー・マルチネス氏(Christophe Martinez)が開発を進めています。主にFacebookで情報発信を行っていて、先月27日の記事ではまもなく完成と予告しています。

Analog Audio DesignのFacebook

Analog Audio DesignのHP

この機種の注目はなんといっても右下のタッチスクリーンで、次のような機能が割り当てられています。1)巻き戻し速度設定、2)ハブの直径の選択、3)テープスピード設定、4)タイマー/ロケート機能、5)様々な再生設定、6)メンテナンスページへのアクセス、7)LAN接続確認(ファーム・ウェアのアップデートが可能)、8)リモコン表示(スマホやタブレット、ブラウザから操作可能になるみたい)9)リーダーテープ検出の有無、10)NAB/IECイコライゼーション設定、11)マイク入力のインピーダンス設定。

TR-1000の正面画像

 

そして最後にKostas Metaxas氏のレコーダー。アムステルダム在住のデザイナーで、今年の5月頃にポータブルタイプの「T-RX」が完成、すでに出荷されてるみたいなのですが、販売状況がよく分かりません。そしてもうひとつスタジオレコーダー「Papillon」も開発中で、開発途中の状況はこまめにFacebookで報告されています。

Kostas Metaxas氏のFacebook

メタクサス氏のメーカー、Metaxas & SINSのHP

AlphaAudio誌のPapillonの紹介記事

 

こちらはYoutubeでのT-RX開封の儀の映像。2台目だそうですが、オーディオ情報誌SoundVision誌の評論家氏によるレポートですね。

SoundVision誌の映像

 

と、ちょっと詰め込みすぎましたが、ご参考にしていただけましたでしょうか。日本ではメーカーの動きとしてはTEACさんが修理を受け付けていただけているだけで、目立った物はありません。新開発などは無理でも、これまで国内販売された数万台のオープンリールデッキをメンテナンスして良好な状態に保てるように、消耗品の供給さえ何とかなればなぁといつも考えています。2020年がアナログオーディオファンにとって良い方向に進むといいですね。

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